健康食品販売の男、1000万円集め逃げる 長崎

 長崎市内で健康食品を販売していた男(43)が顧客の高齢者に起業目的の借金を持ち掛け、数十人から少なくとも約一千万円を集めて逃げていることが十九日分かった。顧客の一部は長崎署に被害相談をしており、同署は詐欺の疑いがあるとみて捜査している。

 関係者によると、男は二〇〇四年夏ごろから長崎市内に移り住み、市内の公共施設や貸事務所を利用し健康食品を販売。今年一月ごろから顧客に「新たに会社を設立するのでお金を貸してほしい。八月には返す」などと話し、数十人から五?六十万円を集め六月に姿をくらました。

 その後、男は宮崎県内にいることが分かった。男は五百八十万円を借りたことを認めた上で「もう一度長崎市内で健康食品を売って返す」と言って返金に応じていない。

 男はこれとは別に〇四年八月に長崎市内の顧客の男性(78)に四百万円を借り、返金していない。男には高齢者を中心に百人以上の顧客がおり、このほかにもかなりの被害者がいるとみられる。

 男は宮崎県内で健康食品を販売していた〇二年十二月にも顧客の女性から百五十万円を借用。返金に応じないため女性が〇四年六月に貸金返還請求訴訟を宮崎地裁に起こしたが、男は裁判に出席せず判決は十月に確定している。男は提訴された直後に長崎市に転居したらしい。

 四百万円を貸した長崎市内の男性(78)は「いい人だったが、今思えば口がうまかった。一日も早く解決したい」と話している。
長崎新聞 - 2006/11/20