健康飲料沖縄県産植物を世界規模で販売へ


 【名護】生物資源研究所(名護市、根路銘国昭所長)は13日、センダンなど県産植物のエキスを原料にした健康飲料の共同開発・販売で米国の商事会社KDSLホールディングと業務提携した。現在、KDSL社によるがん患者を対象にした臨床試験が米国内で行われており、治験結果を踏まえ来年中にも米国で販売を開始する予定。根路銘所長は「将来的には研究所と新会社を共同設立し、医薬品として開発、販売したい」としている。
 調印式が同研究所で行われ、根路銘所長とKDSL社の共同経営者3人が出席した。
 同研究所は、県産のセンダン、ショウキズイセン、キョウチクトウから、それぞれ抗がん作用のある成分の抽出に成功。根路銘所長によると、各成分はマウス実験などでがんの治療と予防効果が確認されているという。
 KDSL社のレオナルド・ディ・バリ氏は「研究開発に多くの時間が費やされている点を一番評価した。沖縄発の製品を世界的事業に発展させたい。がんで苦しむ人たちに貢献できるよう長期的な視野でパートナーシップを育てたい」と述べ、将来的には香港、カナダ、南米、インドなどでも販売する考えを表明した。
 ダニエル・グロスフェルド氏は「最初は懐疑的だったが、現在は米国内の大学病院のがん専門医の協力を得て臨床試験を実施している段階だ。契約でき、とても興奮している」と話した。
 同研究所はセンダンエキスの健康飲料を既に開発し、県内で販売している。ショウキズイセンとキョウチクトウは薬事法の対象植物で、国内では健康食品として販売できないという。

【写真】3種類の県産植物のエキスをそれぞれ原料にした健康飲料のサンプル

琉球新報 - 2006/12/14