健康食品でヒト遺伝子導入米を承認 薬用成分生産で米農務省

健康食品で人間の遺伝子を組み込んだコメの商業規模での栽培を米農務省が基本的に認めたと、米紙ワシントン・ポストが2日報じた。カリフォルニア州のバイオ企業が申請していた計画で、下痢止めの薬効があるタンパク質を抽出するのが目的という。

 花粉が飛散してアレルギーの原因になったり、ほかの食用のコメに遺伝子が広がったりする可能性が市民団体などから指摘されている。

 計画しているのはベントリア・バイオサイエンス社。抗菌作用のあるタンパク質ラクトフェリンやリゾチームをつくる遺伝子をコメに組み込み、中部カンザス州で約1300ヘクタール栽培する。収穫したコメはその場ですりつぶして有用成分を抽出、ヨーグルトなどの健康食品への添加用や薬として利用する。

 申請を受けて環境影響評価をした農務省は「特に危険性はない」として基本的に承認、一般からの意見を聴く手続きに入った。

東京新聞 - 2007/3/3