健康食品を開発・コエンザイム新製品 澄田知事に披露


 抗老化効果があるとされる補酵素「コエンザイムQ10(CoQ10)」の含有量を増やす島根県独自の技術を使い、県内の食品関連二社が、新商品を開発した。県が重点を置く新産業創出プロジェクトに乗った取り組みで、両社は島根県発の特産品として全国販売する。

 海産物の加工品製造を手がける隠岐の島づくり(隠岐の島町、佐々木雅秀会長)と土江本店(松江市、関谷忠之社長)。隠岐の島づくりは、「国立公園隠岐焼きイカ麹漬け」、土江本店は、「麹入り島根の赤かぶ」を商品化した。

 活用した技術は、島根県産業技術センターが特許を保有する「コエンザイムQ10の含有量を増やす麹の製造法」。

 CoQ10は、活性化酵素の働きを補い、年齢とともに減少するとされる物質。同センターは、蒸した酒米に麹(こうじ)菌の種を植え、一定の温度条件でリンゴ酸やアミノ酸を加え、麹に含まれるCoQ10を約三倍まで増加させており、両社は、機能性を持った麹で、健康食品を開発した。

 隠岐の島づくりは、十三日から東京のにほんばし島根館で売り出し、その後ネット販売で全国販売する計画。土江本店は、九日から島根県内の百貨店で発売し、十二月中旬から全国チェーンのスーパーでも販売する。

 健康食品産業の育成は、島根県が進める新産業創出プロジェクトの柱のひとつ。県は同分野で「全国展開十品目」を目標に置いており、これまでに有機桑茶製品や高純度βグルカンなど六品目が全国で販売されている。今回の二商品が加わったことで八品目となった。

 全国販売を前にした八日、佐々木会長(55)と関谷社長(63)ら関係者が県庁を訪れ、澄田信義知事に商品を披露し、成果を報告。

 試食した澄田知事は「品のよい味で、温かいご飯に合うだろう。島根ならではの新商品としてPRしたい」と話した。


【写真】コエンザイムQ10を多く含んだ麹を使った「焼きイカ麹漬け」と「麹入り島根の赤かぶ」を試食する澄田信義知事=松江市殿町、島根県庁
産経新聞 - 2006/12/10