ビール副産物でバイオエタノール燃料…キリン実用化へ

 キリンビールは、ビール製造時に出る麦芽カスや使用済み酵母などの副産物、大麦の茎などの廃棄物を活用した、バイオエタノール燃料の開発に乗り出した。2009年までの実用化を目指す。

 植物を発酵させて作るバイオエタノールは、環境にやさしい自動車用燃料として期待されているが、現在の原料はトウモロコシなど食用品が中心で、供給には限界がある。キリンは、副産物や廃棄物の再利用なら、価格競争力のある製品作りが見込め、資源の有効活用にもつながると見ている。

 キリンビールの製造過程で発生する副産物は、麦芽から麦汁を作る時に出る仕込みカスや使用済みの酵母などで年間16万トンを超える。これまでキリンはこうした副産物を飼料や健康食品に転用してきた。また、大麦は、実以外の葉や茎部分は利用法がなく、現在は廃棄処分している。

読売新聞 - 2006/12/29