健康食品の被害情報収集 県医師会がシステム整備へ

 サプリメントなどの健康食品の人気が高まる中、安全性に問題のある製品もみられるとして、石川県医師会は、日ごろの診療活動で寄せられる患者からの相談や苦情を集め、県民に情報を提供するシステムを年内にも整備する。患者の中には正確な情報を持たないままサプリメントに依存するケースもみられ、医師会としても積極的に情報収集し、実態を把握することになった。

 県医師会によると、これまで医師が健康食品の使用状況を患者に尋ねる機会は少なく、健康被害の実態は十分に分かっていなかった。

 新たに整備するシステムは、病院や医院に寄せられた健康被害を主治医が県医師会に報告し、必要に応じて専用ホームページで公開する。危険性が高い場合は、かかりつけ医が直接指導する。

 日本医師会の国民生活安全対策委員会が提言した「食品安全に関する情報システム」のモデル事業として、七都道府県の医師会とともにシステムを共同運用する。同委員会が医学的な裏付けや緊急性などを分析し、厚生労働省への通知や警告、注意喚起など五段階の対応を取る。

 このシステムは二〇〇八(平成二十)年四月から全国すべての都道府県医師会で稼働させる。

 県医師会は今後、ポスターなどで患者に情報提供を呼び掛け、県薬剤師会や県栄養士会などにも協力を要請する。国民生活安全対策委員会の委員を務める県医師会の小川純理事は「患者さんから寄せられる情報の一つ一つが重要。ささいなことでも気兼ねなく医師に相談してほしい」と話している。


富山新聞 - 2006年12月7日