健康食品や医療用食品の需要が増えている

【フランクフルト=後藤未知夫】食品世界最大手のネスレ(スイス)は14日、医薬大手ノバルティスの医療用食品事業を買収すると発表した。金額は25億ドル(約2900億円)。医療用食品でネスレは世界5位でノバルティスは2位。今回の買収でネスレのシェアは25%となり、最大手でシェア30%の米アボット・ラボラトリーズに次ぐ2位に浮上する。

 買収は来年後半に完了の見通し。ネスレは今後、新製品の研究開発を拡充。病院や介護施設、薬局などの販路を広げる。ノバルティスは本業の医薬品に経営資源を集中する。

 高齢化や健康志向の高まりで、欧米でも健康食品や医療用食品の需要が増えている。ネスレは付加価値の高いこの分野でM&A(企業の合併・買収)を積極化、今年はカナダのダイエット食品大手のジェニー・クレイグの買収も決めている。 (23:00)

日本経済新聞 - 2006/12/14